The Cuckoo's Nest

幽遊自躑に暮らしております。https://twitter.com/Wintermoth1934

こんな夢を見た4

こんな夢を見た。

 

かつての高校へ行く。

私はジャケットを羽織りちょっとお堅めのあくまで私服で、言うならば大学生に近い服装をしている。

夢の中のあの高校は私のよく知っているあの高校と同じだ。何度も使った下駄箱、美しい清潔な階段、サントリーニ島のような懐かしい塗り立てのような白色……

しかし自分の教室に入ることができない。恐ろしくて堪らない。なぜなら私は学校にずいぶん来てなかったのだから。

特にある男の反応を恐れている。勇気を出して学校まで来たもののやはり怖くなり廊下を行ったり来たり、知ってる学生とすれ違わないか、知ってる教員とすれ違わないかひたすら恐れている。

結局、教室に入ることができず、自分がどれだけ大口を叩いても所詮本当の部分では小さく惨めであるかを悟る。

下駄箱へ行き学校を後にしようとすると、後ろから声をかける者がいる。

〇〇だ。

〇〇は小学校と中学校で同級だった女だ。当時はその容姿と性格から男子に好かれていて浮いた話も幾度か耳にした。

今はある楽器の先生をやっていると聞いていたので、私の高校にいたことも何となく合点がいった。

知り合いに存在がバレ私はたじろぐ。

話すと、彼女はどうやら私が学校に来ていないことを、精神を病んでいることを知っているかのような話ぶりだ。話ぶりと言うのは、普通に会話してくれている風でその中に向こうが明らかに気付いている確信が持てるという意味だ。

私はかつて〇〇に恋したことなどなかった。周りが騒ぎ立てるほど美しい女とも感じたことなどなかった。ただ浮いた話をよく聞いただけだ。

彼女と下駄箱を少し出て外を歩きながら話すと、彼女の口から私と彼女が大学時代に一度会って親しく食事をしたことを聞かされる。

その時の私はとても素敵だったとそう彼女は言った。しかし薬物の話をしたり不安に感じる部分はいくつかあったとも彼女は言う。

私はそのことを言われ初めてそんなことが確かにあったことを思い出した。

そのことを懐かしいとただ思い、別にそれは性愛の不快な臭いが漂うようなものではなくただ友情・郷愁に包まれた清らかなものであった。

そのぐらいからか私はだんだん不安を覚え出した。

私の人生はどうなる? 高校にこうやって来ているということはあの高校を無事に卒業できていなかったのではないか。

いや、しかし大学にも通っていた記憶がある。

高校を出ていないのに大学? 頭がおかしくなりそうになる、強い不安を覚える。

それから彼女と続けて話していると彼女は静かに泣き出し、昨日のLINEについて言及し出す。

私は激しく動揺する。

LINE? なんのことだ?

彼女の表情が、お前に裏切られたと強く訴えている。

鼓動が高まりながらLINEのアプリを起動し中を開くと、昨夜何故か彼女に私から連絡をしている。

私は彼女の連絡先なんて知らないし特別な仲でもないのに何故。どうやらSNSで彼女の名前を検索にかけLINEのアカウントを特定し昨夜メッセージを唐突に送りつけたようだ

メッセージの内容を見る


「クーキッキッキッキッキッキッキ🤡

😈の絵文字で作ったインド哲学曼荼羅か何かをモチーフにした統合失調症を連想させる神を彷彿とさせるようもなもの」


他にも色々と一方的に送りつけていたが、どれも理解不能であり、何より私はその記憶が確かにない。

私は背筋が凍り恐怖した。彼女に私は必死に謝った。

君の期待を裏切ってごめん、これは説明すると精神薬を服用していてその副反応で気付かぬうちに人にメッセージを送ってしまうことがあるんだ、でもこんなひどいのは初めてだよ、君からの親愛を裏切ってごめん、怖がらせてごめん、もう一度チャンスをくれ!これは本当の僕じゃない!と。私は必死で必死で訴えた。

しかし、彼女は涙を流しながら私を恐れ去っていく、二度と近寄るなと言わんばかりに。

信じてたのに!と何度も彼女に言われた。


そこで目を覚まし現実の世界に戻る。

少しぼぉっとして夢であることを確認してから安堵しトイレへ向かうが、私の胸の動悸はそう簡単に収まることはなかった。