The Cuckoo's Nest

幽遊自躑に暮らしております。https://twitter.com/Wintermoth1934

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

そっと撫でる

今日ある映画を見て言葉にできない感情が湧き起こった。心が動いたといっていい。いや、心をそっと撫でられたか。こういう映画は何十本も見て一つ、縁がないと短い一生では出会えない。友人に勧められた作品なので彼には感謝しかない。 生きることは苦しい。…

駄文4

人の幸福の数と不幸の数は最終的には同じといったような茶番にはうんざりする。決してこれは数値化できる問題ではないが、娘が強姦され殺された親の一生と何不自由なく経済的にも容姿にも恵まれた男の一生、これらの幸福の度合いが同じなわけがない。 幸福か…

こんな夢を見た5

こんな夢を見た。 幼少時代過ごした生家の近くにある大きな河川が流れている。その河川だと思う。思うというのは夢だからハッキリはしないのだが、直感がそう言う。 その河川には他の河川に違わず川の流れている縁には乾燥した葦のような無数の植物やゴミが…

こんな夢を見た4

こんな夢を見た。 かつての高校へ行く。 私はジャケットを羽織りちょっとお堅めのあくまで私服で、言うならば大学生に近い服装をしている。 夢の中のあの高校は私のよく知っているあの高校と同じだ。何度も使った下駄箱、美しい清潔な階段、サントリーニ島の…

こんな夢を見た3

こんな夢を見た。 小学生の頃とても仲良かった友人と一緒に釣りにでかけた。釣りをしていた川は実際に私が小学生の時分に川遊びをした所だった。釣りを楽しんでいるとだんだん日が暮れてきて、私は日が落ちた川での釣りを楽しみたいと思った。しかし私は家に…

こんな夢を見た2

こんな夢を見た。 祖母がいた。あの家にいた。料理を食べさしてくれた。詳しいことは思い出せないが一つ覚えているのは鯖の味噌煮が出てきたことだ。しかしそれは鯖の味噌煮に似ただけでその身は水色で、麒麟か何かの幻獣の味噌煮であった。私はとても温かい…

駄文3

ただあの日に帰りたい。 カジカやドジョウを追って川辺を自転車で渡り歩いたあの頃へ。夢中で遊びいつの間にか時が経ち町は夕闇に包まれる、母に叱られぬようそれほど食べたくもない夕食を目指して帰宅したあの日…… 私の望みはただそれだけなのだ。そう難し…

駄文2

布団に潜って村下孝蔵を聴いていたらふと思った。 自分は生活を良くしようと努めている。過去の生活と比べて今はかなり良く改善された。が、私は不幸だ。以前よりかは幾分か不幸ではないと思う。だが、不幸なことに変わりはない。何故か。それは私が不幸を常…

駄文

死はその瞬間だけ見れば確かに悲劇だが、壮大な宇宙の歴史の一瞬としてその死を捉えるならばどんなに不幸な死であっても微笑ましいものかもしれない。 死の誠に有り難い性質は、死を与えられた瞬間全てがパァになること。本当に全てが無に帰す。半年掛けてコ…

山梨 塩山温泉にて

過去の記録 山梨 塩山温泉にて 場末の古びた中華料理屋で都会で食うそれとは全く異なるラーメン啜りながらビールを呑む。来年の年末には店を閉めると言って笑う中年夫婦。店を出て私以外家族や友達と自宅でのんびりやってる年の瀬の静かな町を歩き、酔ってふ…

七月中旬、カーテンの隙間から

零時を過ぎると煙草を呑みたくなる。 僕の心は薬を飲んでも乱れている。 今は七月、午前三時、あの子は仕事で疲れ果てて寝ている。 僕は布団から起き上がると、台所に行き、カーテンの隙間から街灯の二つある十字路を眺める。 この道は昼間は人も自動車もた…

こんな夢を見た

子供の頃から知っていた店がついに潰れた。 別に町の象徴とまではいかないが、あの町に住んでるみんながその店を知っていた。 店は看板が独特でおもしろく実に目を引き、その知名度の高さは立地の良さとその看板にあった。 ずっと同じ看板を掲げて私が産まれ…