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またこの発作だ。夜になると、一人になると、過呼吸になって発狂を求める。

なぜ気が狂わない。俺は気が狂って欲しいんだ。気が狂って閉鎖病棟で一生を終えたいんだ。もう人に不幸をもたらすのも嫌われるのも失望されるのも大事なものを失うのも俺には耐えらないんだ。

悲しみに呑み込まれ脳が死で一色になる。俺は自分の回復を決して許さない。回復するなんて許せるわけがない。それだけは許したくないんだ。

涙が出ない。泣いて疲れて眠りたい。泣かないのは、本当は悲しくなどないから？　でないと涙が出ない理由はない。だから涙が出ると俺は安心する。

殺して欲しい。俺が傷つけてしまった人たちに俺を殺して欲しい。俺を殺せ。殺せ。だが、殺す価値もない。だから自殺しろ。お前を殺させることはさらに他者に迷惑を掛けさせることに他ならない。

なぜまだ俺を大事に思う人がこの世にいる？　これは気狂いの錯覚ではなく少なからず確かにいるのだ。彼らの存在は少なくとも俺に死なない理由を与えている。

眠りたい。ただ眠っていたい。二度と正気にならなくて良い。

じきに俺を大事に思う人たちも減っていくだろう。こんな異常者を大事に思うことで彼らを異常者にしてしまうから。俺は一人では生きてなどいけないのだ。