The Cuckoo's Nest

幽遊自躑に暮らしております。https://twitter.com/Wintermoth1934

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

私の性分について

人と集まると毎度のことながら、嗚呼またやってしまった!と思う。この嗚呼またやってしまった!がどういうことかと言うと私が偉そうにお喋りをし過ぎる、これに尽きる。 現実の知り合いなら誰もが納得するであろうが、私ほどよく喋る人はそういない。私は自…

沢蟹

一周忌の墓参りを終えた帰り 突然クシャッと足元で何かが爆ぜた 靴を上げると大きな沢蟹が潰れていた 横には小さな水路が流れていたのでそこに居着いていたのか 屈み込み蟹を見つめて1か0か考える 蟹は0であった 私が殺したのか、それとも死んでいたのか 崩…

一匹の黒い雄犬の死

今、時刻は朝の五時、私の目の前で消えかけの蝋燭が燃えている。 この蝋燭は犬の祭壇に設けられたもので、珍しく早々に眠り落ちた私だったが、明け方に目が覚めてからこれを眺めている。かなり長い一本であったが、間も無く消える。これを書いている間に消え…

自殺について

カミュが以前このようなことを書いていた。結局のところ人生で最も重大なことは一つ、それは自殺するかどうかだ、と。 自殺について考えることは私の日常だ。私にとってサラリーマンが仕事から帰ってきて呑む一本の缶ビールぐらい日常的だ。 別にそれは何も…

危篤

今うちの愛犬が死に掛かっている。 この黒い雄犬は19年も生きている。 ようやく19歳を迎えたが、一ニ週間程前に母から今まであった食欲が格段に落ちたとの報があり覚悟するよう伝えられていた。 そして今日、自宅にて母から彼の危篤の報を受け急遽郷へ帰るこ…

殺人と食人について

インソムニアで眠れないので綴る。 危険思想と言われたら話は終わって実に面白くない。面白くないだけなら構わないが私はこの問題に地球上で脳の最も発達した種としてより真摯に向き合う必要があると常々思っている。でなければ頭がデカいだけで実は空っぽそ…

奥多摩町日原紀行

私たちは車で奥多摩町日原を目指した。かなり前に日原を友人と一度散歩しておりその時の良い印象が強く同じ友人と再び日原を目指した。 途中、山間の峠で一軒のパチンコ屋を見つけた。パチンコに興味も経験も全くない私と友人であったが、峠にあるろくに客の…

昭和44年の楠

「俺はベトナムに行こうと思う」 昭和44年の昼下がり、大学の食堂、私が日替わりのメンチカツ定食を頬張っていると吉野がそう口にした。私は止まることなくマカロニサラダの横に置かれた安っぽいパスタに箸を伸ばした。ただ確かに悲しみの水滴が一滴白い和紙…

尾崎豊「傷つけた人々へ」を聴いて

尾崎豊に「傷つけた人々へ」という曲があり、久し振りにこれを聴いた。 昔愛用していた紫色のウォークマンに入っていたのだがそいつの調子が悪くなり全く使わなくなると、この曲を思い出す機会も必然なくなり私の記憶から消えていた。 そして先日、偶然にも…

酒に殺される

最近は酒に殺される夢想をすることが多い。 これまで散々酒に頼ってきた。いや、これでは酒に対して失礼、助けられてきたとも言っていい。酒に助けられる、しかし助けられた分だけ酒に借りができるのが道理というやつだ。その酒がある日、私のところにやって…

青い日本

青い日本などと題したが何も政治的な思想を吐露する記事ではない。私は日本がまだ青い(未熟)などと言えるほど成熟してはいない。 キタノブルーという言葉がある。 北野武の映画では映像に青みを少し載せていて画面全体が常に少し青い。それを表す語だ。 こ…