布団に潜って村下孝蔵を聴いていたらふと思った。
自分は生活を良くしようと努めている。過去の生活と比べて今はかなり良く改善された。が、私は不幸だ。以前よりかは幾分か不幸ではないと思う。だが、不幸なことに変わりはない。何故か。それは私が不幸を常に追い求める目も当てられぬ程に愚かな習性を持つからだろう。
酒を呑み布団に包まっても眠りにつけず久々に煙草が吸いたくなる。煙草？ 遠の昔に辞めたではないか。もう依存症から抜け出したから煙草など吸いたくもならないのでは？ それは嘘だ。現にこうして無性に吸いたい時がある。これはあくまで煙草が例だが、何だか私の人生はこんなことの繰り返しの気がしてしまった。
決して死にたいわけではない。そこまで不幸ではないし絶望もしていないから。
生きていることに感謝することも多い。しかし、どうにも一人の夜はダメだ。いつもそういう夜は私は陰鬱な心持ちに仕向ける。
いま私は思う。ただ眠って良くも悪くもない、そうだ、普通の夢を永久に見ていたい。夢も見ずに寝てる時は死んでるようなものだ。だから夢は見ていたい。
