The Cuckoo's Nest

幽遊自躑に暮らしております。https://twitter.com/Wintermoth1934

海辺のリクガメ

ふと思い出した。

だいぶ前になるが友人と白砂青松の海岸を歩いていた。その日は晴れ渡っていたが空の青に少し雲が舞っていた。私と友人は海岸に行くとビーチコーミングの真似事を毎度してしまう。灯台下暗しの我々だが砂浜を歩く時はしっかり足元に目を配る。その時も足元ばかり見て当てもなくウロウロしていた。

すると、ふと足元に何かを見つけたので近付く。初めは大型の貝類かと思ったが、よく見ると亀の甲羅だった。

珍しい物を見つけたと思いすぐに友人を呼び寄せそれをじっと見ると、中は空っぽで肉の部分は微塵もない。甲羅の部分だけが破損しつつも原型を留めている。

ウミガメかな?と友人が言ったが、どうにも腑に落ちない。そりゃあ常識でいったら海辺で死んだ亀を見つけたらそれはウミガメしかないでしょう。何故なら海に生息する亀はウミガメしかいないからね。

でもウミガメってこんな見た目だったかしらと思い、勘に頼ってリクガメで調べると完全に甲羅の模様が一致した。具体的な種類までは分からないがリクガメの仲間であることは間違いなさそうだ。

にしても、なぜリクガメの甲羅がこんな所にあるのだろうか。誰かが大切に育てていた愛リクガメが死に水葬したのではないか。しかし波で削られながらこうして戻ってきてしまったのか。あるいは同じ水葬でもずっと遠い所で水葬されたものが波で偶然この砂浜に流れ着いたかもしれない。もっと言えば異国から流れ着いたものかも。リクガメは世界中で飼育してるだろうからね。

しかし、わざわざ家から離れた海にリクガメを水葬するものだろうか。亀だから水のある海が喜ぶと思ったのかな。誰のどんな想いでこの亀が海に送られたのか気になった。

結局は妄想の域を出ないが何にせよ大事にされていた亀だったのかなとは思う。私がそう信じたいだけなのかもしれない。

f:id:Wintermoth:20240130005008j:image