The Cuckoo's Nest

幽遊自躑に暮らしております。https://twitter.com/Wintermoth1934

インド紀行②

アフターダーク、ホテルにて)

今朝タージマハルを見た。
早朝のタージマハルが至高だとガイドから聞いたので疲れた身体に鞭打って行った。
初めてのタージマハル。タージマハルは確かに綺麗だったが、綺麗以上の特別な感情を抱くことはなかった。元々せっかくインドまで来たのだからタージマハルぐらい見ておくか程度の心持ちだったので仕方あるまい。タージマハルそのものよりタージマハルの周辺にいた無数の野生生物と無数のゴミ、無数の詐欺師たちの方が興味深かった(とはいえインドなら日常なのでタージマハルで見る意味はない)

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タージマハルを後にして、モンキーテンプルという山奥のヒンドゥー寺院へ行った。こちらは自分の好みで気に入った。神のおはすところは清潔とか不潔とか関係ないのだ。信じる心の有無が最も重要で、神を信じない人がどれだけ宗教施設を清潔にしても意味などない。猿の糞尿の浮いたグリーンウォーターに娘だろうか若い女性に連れられた高齢のヒンドゥー教徒が浸かっていた。それを見た時、俺はあまりの神聖さと美しさに目眩さえしたものだ。

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これを書いている今はジャイプールのホテルにいる。ジャイプールは京都のようなつくられた(保たれたともいえる)古都ではなく、そのままあるがままの古都で大変満足した。しかしインドの場合、意図して古い都市を保存しているというより、ただ放置しているだけな気はする。ゴミも動物も全て放置、インド人は意図してそうしているのだと言うが本当だろうか。ありのままで自然、それがインドにはある。
ジャイプールは素敵な都市だが、ガイドは何故か俺を自分の友人(仕事仲間)たちが生活する場末のゲストハウスのような場所に半ば強制的に招待(拉致?)した。そのゲストハウスの中はさながら太平洋戦争中の南方の基地のようで赤痢の患者が唸りながら寝ているチープなベッドを想像して欲しい。ベッドと布団とムキムキの男たち以外そこには何もない。一番下っ端の10代の内気なお兄ちゃんが給仕をしていて、年長者たちはマハラジャのように踏ん反り返っている。そこで1時間以上彼らのヒンドゥー語の会話を肴にビールを呑むことになった。
60歳のヒンドゥー教徒の男性は歳で内臓を悪くしていて悪い遊びはもうできないと言う。しかし会話の節々から悪い遊びが未だに大好きなことが伺えた。彼は日本に一度旅行で来たことがあるらしく盛んに、薔薇の花……薔薇の花……と古い日本の歌を歌ってくれたが、誰の何という曲か分からなかった。
もう一人の35歳の男性が知っている日本語はマンコだけだった。マンコは世界共通語なのだと知った。
そういえば60歳のヒンドゥー教徒に教えてもらったことがある。日本は英語でJAPAN。その意味は、jamping、again、何とか(乳を揉むに相当する語だが忘れた)でそれらを組み合わせて産まれた言葉らしい。これも俺の読んだ山川の教科書には載っていない歴史の真実だった。
是非この意味を日本のみんなに知らせて欲しいと言われたのでさっそく諸君に教えることとする。
日本は変態の国で、マンコの国で、セックスの国だと思われているようだ。インド人は富士山と東京とマンコと侍の語しか知らない。何故か知らないが明日も彼らと食事をすることになっている。とても嫌だ。
12万払ってこれかと思いたくもなるが、幸いガイドのクオリティは極めて高い。食い物や飲み物はタダでよこすし(この後しっかり全て請求された)、常に俺の安全に配慮してくれて、オバマにでもなった気分である。一番驚いたのは今いるホテルの部屋だが、最初の部屋はエアコンの調子が悪く彼が無理やり別の部屋に変えさせたものだ。そうそう、書き忘れたがガイドは俺と旅行ビジネスで一儲けしたいらしくしきりに俺を勧誘して来て鬱陶しい。品質の高いサービスの裏に一緒にビジネスで一旗あげたい魂胆が見えるような気もするが、俺にとってこの旅が快適になるので良しとした。
もうそろそろ眠りにつこうと思う。とにかく今日は寝たい。早朝のタージマハルは刺激が強すぎたから。

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