人間が暇あれば振り翳すこの愛至上主義は一体何か。
この愛は何も恋愛関係などを指すわけではない。何かに対する特別に好きという感情全てを指す。
人類はその歴史が始まった時から愛は素晴らしいと盛んに言い続けている。私はそれにうんざりしているのだ！
先に断っておくがこれは愛を知らぬ者の嫉妬に塗れた怒りの文章ではない。私なりに愛とは何か阿呆ながら知っているつもりだ。
いつの世も愛を知らぬ者は人生を生きる意味がないなどと言う輩がいるが、決してそんなことはない。
これだけは断言できる。
好きな他者もおらず、家族もいない、必死に打ち込む好きなものもない、そんな風に生きている人はこの世にごまんといる。何かね、彼らの人生を意味がないというのか。馬鹿を言いなさんな。生物の人生は皆須く意味がなく、そして意味があるのだ。愛の有無は関係しないから安心し給え。
何もそのような愛のない人たちの人生を否定することになるから愛至上主義に対して懐疑的になっているのではなく、愛があるから何だ？とタダ思うから声を上げているのだ。
愛は確かに人の生きる原動力に他ならない。複雑な精神構造を持つ人間の得意分野だろう（異種が愛をもたないとは言っていない）
しかし生きる原動力になると同時にその愛に殺されてしまう人もまた存在しているのだ。あのウェルテル君もそのようにして死んだのではないか。
このような諸刃の剣をこの世で最も素晴らしい価値あるものだと果たしていえるか。
私はそのようなことはないと思う。
※格好付けて書きましたが『若きウェルテルの悩み』は未読です。ゴメンナサイ。
