The Cuckoo's Nest

幽遊自躑に暮らしております。https://twitter.com/Wintermoth1934

インド紀行③

アフターダーク、ホテルにて)

今日は少し遅い帰り。
理由は、昨日と同じくガイドのアジトで交流会(?)をすることになったから。
TOEIC2点の俺がたった数日で英語の耳になり英語で全てのコミュニケーションを図っているのだから留学やワーホリはさぞ勉強になるんだろうなぁと思う。
交流会には俺と同じ観光客のオーストリア人も2人招かれていた。何か話題を振ろうとしたがモーツァルトしか知らない。何故か日本食としての卵かけご飯の話をしてしまいとても引かれた。
彼らは俺と同じ目をしていた。どうしよ……って目だ。話を聞くと友人の結婚式のため遥々インドまで来たらしい。食べても食べても注がれるカレーを3人並んで素手で食べた。


途中アジトのオーナーが俺に自分の工場を見せてくれた。嫌だったけど行かないと殺されそうだったから行った。工場の製品は全て手作りで、絨毯やらスカーフが大量にあって予想通り俺に買わせようとしてきた。プリーズキープ!アイシンクトゥナイトゥ!でその場を濁して帰ったけど正解だったか? インド人に誤魔化す文化ないからなぁ……後で買わされないよなこれ?

工場長と名乗る禿げた中年男性の話は次第に俺に服を買わせることじゃなくて、一緒に東京で一旗あげようという大きな話になってきた。なんだか別のインド人からも似たような話を持ちかけられてるがまあいいや適当に誤魔化した。


話が少し変わるが、この数日ガイドからのどんな無理な要求もグッドカルマで貫き通されている気がする。

インド人を理解する上でやはりカルマの概念は欠かせない。みんなそれぞれ宗教を何かしら持っていて、圧倒的多勢のヒンドゥー教はやはり強いのでヒンドゥー教を理解しないとインド人を理解することは絶対にできない。日本人には理解しづらいだろうが人生に軸があるとすると彼らにとってそれは宗教なのだ。

例えば鳩が群がっていたとする。日本人は鳩がいるなぁぐらいにしか思わないが、インド人は鳩に餌をやる。インド人は命をとても大切にしていて命に貴賎を付けず種の差別をしない。ここで鳩に餌を与えることがまさにグッドカルマに繋がり未来延いては来世の幸福に影響する。ヒンドゥー教徒のガイド曰く、部屋にゴキブリや蚊が出ても決して殺さず外に逃すという。その虫は来世の自分だからと言っていた。そう、野生の鳩も彼にとって前世の自分であり来世の自分なのだ。

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アジトのオーナーは俺にプレゼントと言ってウィスキーをくれた。1000ルピーと言うから頑張って値下げしたら、「kidding(笑)」と言ってタダでくれた。いや……インド人のタダって怖いよ。
しかも俺が工場見学して帰ってきたら全部飲み干されていた。確かにオーナーから、少しみんなで飲むけどいい?と聞かれたけど、全部飲むとは聞いてない。ちなみに帰り際、オーナーに呼び出されて裏庭で「あのウイスキー5000ルピーだから」と耳打ちされ「kidding?」って聞き返そうとしたらちょうどオーナーに電話がかかってきて会話が中断されて今ホテル。これkiddingかな?
帰り際、流石に心配になってガイドに何度も聞いたら「ノープロブレム」しか言ってくれなかった。インド人のノープロブレムは問題しかないのを俺は知ってる。


明日は例の工場に高級な服を買いに行かなきゃならないだろうからどう断ろうかなと模索中。
よっぽどオーストリア人に「気を付けて」って言おうか悩んだけどやめた。だってインド人みんな英語ペラペラなんだもん。